第十の堰
第十の堰が今までの雨の為か流れてもいなかった水が堰の上まで流れていた。
この堰は吉野川の河口から約14㎞上流の、名西郡石井町藍畑(旧第十村)に造られている。
北岸は板野郡上板町。ちょう海水と淡水が出会う処。かつては旧吉野川が本流で、現在の吉野川は別宮川と呼ばれていた。吉野川を長さ1000m・幅30mの石積みでせき止めており、満潮時にはこの堰まで海水が登るという。
この堰が造られた訳は、川幅を広げたところ、本流よりもたくさんの水が流れるようになった為、本流で農業用水の確保するため農民ら手によってつくられたらしい。青石を石畳状に敷きつめて川底を盛り上げた美しい堰であり、二段構えの斜め堰という構造は、自然の変化に対応できる柔軟さをもっている。自然と共に生きてきた昔の人の、知恵の結晶で出来ている。水量の少ないときにも基礎の石の間を水が透過して、地下を水が流れて、多くの生き物を育んでいる。
近年この堰を壊し、新しくこの堰より下流に、大きな鉄とコンクリートのゲート(可動堰)を造る話が出てきている。改築ではなく、別の場所に、まったく別のものを新築するという計画である。
果たしてこれがココで暮らす野鳥や魚たちにとって、いい事なのかどうか・・・